きよのみえこの研究室

REPORT研究成果報告

研究課題/領域番号
17H01911
研究種目
基盤研究(B)
配分区分
補助金
応募区分
一般
研究分野
自然共生システム
研究機関
神戸大学
研究代表者
清野 未恵子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (40570966)
研究分担者
山端 直人 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (00503856) 早川 卓志 北海道大学, 地球環境科学研究院, 助教 (00758493) 森光 由樹 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (20453160) 半谷 吾郎 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (40444492) 福田 伊津子 神戸大学, 農学研究科, 助教 (50418943)
研究期間 (年度)
2017-04-01 – 2021-03-31
研究課題ステータス
交付 (2020年度)
配分額 *注記
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円) 2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円) 2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円) 2018年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円) 2017年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
キーワード
自然共生システム / 生態系保全・管理 / 野生動物管理 / ニホンザル / 腸内細菌 / 生態系管理・保全 / 獣害 / 腸内細菌叢 / 加害レベル / 悪質化 / 獣害対策
研究実績の概要
日本に生息するニホンザルは、獣害問題を引き起こす群(獣害群)から自然物にのみ依存する群(自然群)まで、多様な形で存在している。本研究は、そうした多様な群間で腸内細菌叢を比較し、ニホンザルの消化システムの可塑性を明らかにすることを目的におこなっている。さらに、人と共通する腸内細菌(ビフィズス菌など)の有無など、個体や群れの加害レベル判定に腸内細菌叢を用いることができるかどうかを解明する。最終的には、加害レベル判定の指標として利用する場合にそなえて、現場で容易に判定できる手法を開発することを目的としている。 H30年度は、地域個体間および地域個体群内の腸内細菌叢のメタアンプリコン解析を中心に研究を進めた。 具体的には、自然群から獣害群まで多様な形で群れが存在している青森県下北半島をモデル的な地域個体群と考え、自然群・獣害群の比較のための糞サンプリングをおこなった。 さらに、これまでサンプリングした以外の放飼場群、野猿公園の群れでも糞サンプリングを行い、メタアンプリコン解析を通して腸内細菌叢を比較した。現在まだ分析中であるが、腸内細菌叢から獣害群の特徴を抽出することに成功した昨年度の結果と比較しながら、下北半島の地域個体群の結果を検討する予定である。
現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分) 2: おおむね順調に進展している 理由 複数群の糞サンプリングも想定どおりに行えており、かつ、腸内細菌叢分析やその結果も、予想に反することなく、順調に進んでいる。昨年度は獣害群と同所的に生息する(つまり環境条件が異ならない)自然群の糞サンプリングが課題であった。そこで、市内または隣接する市に獣害群と自然群が生息していて、かつ糞サンプリングが可能な群れが生息している地域として、青森県下北半島の群れをモデルとして糞サンプリングをおこなった。 腸内細菌叢の分析は、ある程度サンプルがまとまった状態でおこなわないと予算額を超過してしまうため、年度末近くの分析になってしまい、年度の途中で早めにサンプリングの方針を議論できないことが課題である。
今後の研究の推進方策
令和元年(平成31年)度以降の研究課題は、腸内細菌をマーカーとした加害レベル判定法の確立である。 小課題として、1)個体の加害レベルと腸内細菌叢との対応と2)群れの加害レベルと腸内細菌叢との対応をあげている。 獣害群の加害レベルは、現在、出没頻度や出没規模、人への反応、集落への加害状況、生活被害の指標を総合して算出されている。既存の手法で判定された加害レベルと、腸内細菌叢との関連を明らかにするため、下北半島の地域個体群をモデルとしながら、一つの地域内に加害レベルの異なる群れが存在している篠山市、伊賀市等でも糞サンプリングおこない、腸内細菌叢の群間の比較を行う。 さらに、個体レベルの加害レベルと腸内細菌叢との関連を明らかにするため、特定の腸内細菌の抽出を目的に、新鮮な糞サンプリングと培養をおこなう。

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