歌人・早坂類さんの新作小説「睡蓮」を電子書籍のマークアップ・表紙グラフィックを制作しました。
人生の中で暗闇を抱えた主人公・睡蓮が、テント生活者に混じり隣人とともに新しい生活を始めます。それは社会の隅に逃れた様で、実はとても彼女の本質的な部分に迫るできごと。
人間くさい隣人たちとの交流の傍ら、自分の内側から沸き上がる声に耳を傾ける様や心象風景の表現が美しく、どんどん物語に惹き込まれてゆく作品です。ぜひご一読ください。
生涯に一度だけ、彼女の視た完璧な花とは。彼女が抱いたひとつの希望とは…。「睡蓮」と名乗る彼女の生き様。「世間? 馬鹿馬鹿しい」「もしかしたら建設的と呼ぶ事も出来るかもしれない未来のために、この幸せからあえて自分を引き離す事に何の意味があるのだろうか? 現に今、この胸底に、素晴らしいものがあるのに」…海の波は明るく打ち寄せ、詩は命の泡の上に投げ出される。この素晴らしき世界。(著者による作品紹介)