日用品をとおして生き方を考える。「NO PROBLEM展」。

「VISION GLASS」はインドで30年以上販売されているグラス製品。その輸入販売元である「VISION GLASS JP」による「NO PROBLEM PROJECT」は、機能的には問題ないが傷や汚れなどの理由で販売されなかった、いわゆるB品に着目し、品質の価値基準を問い直す取り組みです。

会場に立ち並ぶNP品のVISION GLASS

B品とその背景を知ることで、製品と暮らしの価値を考え直す。

「VISION GLASS」はインドの理化学ガラスメーカーBOROSIL社が製造する耐熱グラス。シンプルでミニマムな機能美が魅力的なこの製品は、インドでは30年以上も生産販売されている工業製品です。

理化学ガラスらしい、そぎ落とされた佇まいが飲み物に関わらず内容物を引き立てます。

その日本輸入販売元である「VISION GLASS JP」では、検品で見つかる傷や汚れなどの理由により販売できない「B品」改善のために、メーカー側と取り組みを重ねるものの、日本とインドでの品質に対する価値観の違いや、BOROSIL社だけでは解決できない問題により限界を感じていたそうです。

その中で「良品とB品は白黒はっきり付けられるものではない」という気づきと「一方的に改善を要求するのはフェアではない」という思いから、多少の瑕疵はあるけれど機能的に問題の無いものを「NO PROBLEM品(以下NP品)」と定義し、通常品と同じ定価販売を試みたことが本プロジェクトのはじまりとなりました。

日用品などの製造過程で必ず生まれてしまうB品。じゅうぶん使えるのに、正規品と同じ価格で販売することができないこれらの製品を、「NO PROBLEM(問題なし!)」と受け入れること。それがNO PROBLEMプロジェクトだ。
タブロイド紙「NO PROBLEM」創刊第1号より

本展ではVISION GLASSをはじめ、国内の協賛メーカーにおいて良品・B品とされる製品が各社の検品・品質管理体勢の解説と共に紹介されています。 さまざまなB品とその背景を知ることで、製品と暮らしの価値を考え直す興味深い展示でした。

傷や汚れに「名前」が付けられている展示

瑕疵の種類により「異邦人」「流れ星」といった名前が付けられている。

瑕疵の段階ごとに分け「どこまでなら納得して購入できるか?」という展示。

VISION GLASSの品質管理

VISION GLASSの製造ラインの様子が紹介されている。

慣用さ、融通し合う文化がこれからの日本には必要。

波佐見焼の陶磁器ブランド(B品)

波佐見焼の陶磁器ブランド。小さな色抜けによりB品。

木部の小さなシミによりB品。

品質に対する基準は各社それぞれ、厳密に定めているところもあれば感覚的に判断しているメーカーも。タブロイド紙「NO PROBLEM」では各社の基準や作り手・売り手の価値観などを取材した内容がまとめられています。

タブロイド紙「NO PROBLEM」

会場で販売されているタブロイド紙「NO PROBLEM」1号・2号。

トークイベントでは、B品にまつわる問題解決には「メーカーの品質改善を追求する」だけはなく、「消費者(ユーザー)の解釈を変える」視点が大切。メーカーと消費者が寛容で融通しあう文化がこれからの日本に必要ではないか?という話が印象的でした。

「品質管理」というデリケートな問題を敢えてオープンにすることで、消費者との誠実な繋がりをつくる。NP品を受け入れられる文化では、双方の間には妥協や怠慢ではなく、豊かなコミュニケーションが成立しているのではないかと思いました。

「NO PROBLEM展」

主催:
VIJON GLASS JP / NO PROBLEM プロジェクトチーム
期間:
2017年7月29日(土) – 2017年8月13日(日)
場所:
デザインクリエイティブセンター神戸(KIITO)

Yusuke Nagashima

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