デザイナーに求められている当事者意識

スタートアップに限らず地元企業や地域事業においてもゆるやかに変革を迫られている時代。「発注されたものを作る」「創造的に問題を解決する」ことに加えて「当事者として関わる」ことが求められていると感じています。

フォーク・クリエイティブが神戸市から西宮市に移転し、植物店「aila -LIVING WITH GARDEN -」をオープンして数ヶ月が過ぎました。

基本的に妻の店舗なので、当初はデザイン実務でサポートするつもりでしたが、実際の接客の手応えや道行く人の視線など、実際に人と接することで得られる「事業の温度」を通して、徐々に当事者意識が芽生えてきました。(家族の店なので当然なのですが)今では「自分はこうしたい」という意見を妻とぶつけ合いながら、よりよいお店づくりを目指しています。

話は変わって、最近クライアントワークにおいても「あなたはどうしたい?」という主体性を相手から強く求められる場面が増えました。

外部デザイナーでありながら、時には先方の経営に触れる部分の意見や行動まで求められることがあり、躊躇することもありましたが、デザイナーが求められている関わり方が変わりつつあることを感じました。

形をつくるだけではデザイナーとして成立しない。

「ビジネスにデザイン思考が必要」とビジネスの側から言われることが多くなりました。

造形や装飾だけがデザイナーの仕事だという誤解が未だに多い中、デザインの重要性が認められていると感じる反面、いよいよデザイナーが形を作るだけでは成立しない流れを感じています。

デザインに至るプロセス全体に流れる「情報整理」を「デザイン思考(Design Thinking)」と言います。造形や装飾の制作は最終的な部分にしかすぎません。

単に「高機能」「低価格」ではサービスが消費されない現代において、創造的プロセスを取り入れて、生活者の共感を得る必要があるのです。つまり理念の整理やユーザー調査、競合分析などの手法を重ねながら対象を観察して、思い込みに左右されない「問い」を立てていく必要があるのです。

「あなたの課題」から「わたしの課題」へ。

デザイン思考を使って取り組む課題は「あなた」(顧客)の課題であり、誰かの課題をいかに早く綺麗に解くかになりがちな印象があります。そこには「自分の意志」よりも「相手の課題」を重視する視座があります。

「論理的思考、デザイン思考、そしてスタートアップ思考の時代へ」より引用

私は「イノベーション」という言葉は好きではありませんが、現代はスタートアップに限らず地元企業や地域事業においてもゆるやかに変革を迫られている時代、変革には「当事者」の存在が不可欠です。

「当事者」とは、自らを物事のプロセスの一部分ととらえ、「目的意識を持って、自ら考え、自ら行動する担い手」。つまり「あなたの課題」を「わたしの課題」へと引き寄せるということ。

「当事者意識を持て」とは、いかにもコンサルタントやマーケターの間で使われそうなフレーズですが、職務に関係なく自分の熱量をもって状況を打破する姿勢が、いま求めらているのだと思います。

Yusuke Nagashima

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フォーク・クリエイティブは兵庫県西宮市を拠点に活動するデザイン事務所です。 企業やブランド、個人が抱く想いの向こうにひそむ課題へ向き合い、 柔軟な発想とコミュニケーションで、解決につながるプランをご提案します。

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