クリエイティブは実感の積み重ねに根付く

「旅する大地」というプロジェクトで熊本県・山鹿の森を視察。デザインや企画の仕事において現地へ足へ運び、空気を感じ、人と話すことで対象への「実感」を積み重ねていくことの大切さ。

森の土をつくる「旅する大地」というプロジェクトで熊本県・山鹿の森を視察してきました。

豊かな山林が育んだ土から、造園や都市計画で使うことの出来る堆肥を作り、商品化するというもの。目を向けられることの少ない土に目を向け、「土の産地」を特色にした商品展開で森を人・街を繋ぐ試みです。

山鹿市は熊本市内から北部へ30km程上った街で、人口もあまり多くない静かなところ。鹿本森林組合の池尻将尚さんに案内して頂いて、好例悪例含む4つの山林と堆肥の製造工場を回ってきました。

森が見せる表情の差。

ひとくちに「森」といっても、地域や植物以外の他にさまざまな要因が植生をつくることを体感しました。

よく手入れが行き届いた場所は、山奥まで程良く光が差し風の通りが良い。空気の匂いもみずみずしく、美味しいとはまさにこのこと。植物や枯れ葉が重なった地面はふかふかと気持ちが良く全身で満喫できる空間。木の根もがっしりと土を掴んでいて、土の機能が良いことが分かります。

山鹿の山林

程良く光が差し込み、樹木(杉)の根元には多数の植物が重なる。

逆に手入れが行き届いていない山林(国有林)は、十分に日が差し込んで来ないため、うっすら暗くじめじめしています。自生している植物の種類も明らかに少なく、自分が拒まれているような、もしくは自分が感覚を遮断したくなるような圧迫感を受けました。手入れの有無にによって、森が見せる表情は全く違うということに驚きました。

山鹿の国有林

こちらは国有林。天候の変化を加味しても差は歴然。

まったく手つかずの森は自然の力で均衡を保つことができるが、人工林は人との共生が欠かせない。木材を活かす道がなければ林業は成り立たない・・・。そんな問題を肌で感じることができました。こうした問題に自然の循環で向き合いたいと考えるのが「旅する大地」が持つ意識のひとつです。

いつでも現場に飛び込む身軽さと身体性を。

ところで、デザインや企画の仕事において現地へ足へ運び、空気を感じ、人と話すことで対象への「実感」を積み重ねていくことはとても大切です。

もちろん商品であれば自分でお金を出して買い、使うこと。(当たり前にやっている方はやっていることです。)

ネットを通じて手に入れることの出来る情報はほぼ無限。森林の写真はもちろん、林業が抱える問題も、土の機能についても、調べれば一定の答えに辿り着くでしょう。ただ、身体や五感を使わず頭脳だけで考えてしまうと無味乾燥した正論しか生まれず、納得できてもアイデアの展開ができません。

あや杉の根っこ
課題の解決や価値創造に繋がるクリエイティブは、実感の積み重ねにこそ根付く。

特に自分のようにWebをベースにしているとネットに頼りがちですが、デザイン=コミュケーションの仕事だからこそ、いつでも現場に飛び込む身軽さと目一杯感受できる身体性を備えていたいものです。(いつも健康でいようってことですね。)

Yusuke Nagashima

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フォーク・クリエイティブは兵庫県西宮市を拠点に活動するデザイン事務所です。 企業やブランド、個人が抱く想いの向こうにひそむ課題へ向き合い、 柔軟な発想とコミュニケーションで、解決につながるプランをご提案します。

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