「できあがっているように」見せないデザイン提案

クライアントや社内に対して制作段階のデザインを見せる際に「あたかも仕上がっているかのように」いきなり細部まで作り込んでしまうことはありませんか?形を示すことに拘るよりも、その段階で話し合うべきことに焦点を合わせた評価・議論を尽くすことが大切です。

戦略から積み上げるデザインがUX(ユーザーエクスペリエンス)をつくる。

Adaptive PathというアメリカのWebコンサル会社の創設者の一人である、Jesse James Garrett 氏の著書『ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」(2005)』(原題「Elements of User Experience」)では、デザイナーとしてUX(ユーザーエクスペリエンス・サービスの利用者体験)を考える上で、利用者の体験に影響を及ぼす要素には、以下の5段階があると説明しています。

この図では上の層ほど「具体的 / 完成」度が高く、下の層ほど「抽象的 / 概念」度が高い事が示されており。抽象的な戦略モデルを段階を積み上げて、具体的なビジュアルデザインに落とし込んでいくことが重要なことが分かります。

多くの場合、クライアントや提案相手はデザイナーではない場合が多く、「まずは形(イメージ)を見せてくれ」と迫られることがありますが、プロジェクトの戦略や企画が検討段階の場合、先駆けて表面的なデザインを制作することは意味がありません。

完成に近いほど、評価の幅が狭くなる。

デザイン提案時には、その段階で話し合うべきことに焦点を合わせた評価・議論を尽くしたいものです。
提出するものが完成に近いほど、フォントのサイズや装飾・枠線の処理といった細かなディティールに焦点が定まりやすく、構造やレイアウトといった基本的な問題を見落としがちです。

大切なことは、その段階に合わせた(未)完成度で制作したラフを制作することです。この場合も「まずは形(イメージ)を見せてくれ」と迫られることがあるかもしれません。そういった相手に手書きのラフを提案すると悪い心象を作ってしまうことになるので「この段階では手書きのラフで提案します」と予め断りを入れておくことで誤解を避けることができます。

特にプロジェクトの初期段階では「決まっていないこと」の方が多い場合がほとんどです。その時点では架空のビジュアルを掲げるよりも、ラフスケッチの様な曖昧で小さなプロトタイプから企画とデザインを一緒に固めて行く方が、最終的な完成度を高くすることが可能です。

Yusuke Nagashima

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フォーク・クリエイティブは兵庫県西宮市を拠点に活動するデザイン事務所です。 企業やブランド、個人が抱く想いの向こうにひそむ課題へ向き合い、 柔軟な発想とコミュニケーションで、解決につながるプランをご提案します。

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